地下リハビリ室

 

私がさいしょに就職した病院のリハビリ室が地下だったことをふと思い出した。

なんでだろうなあ。一日中、陽の光がささない空間だった。

 

狭い廊下を、往ったり来たり歩く練習をした。

あの廊下の奥はたしか厨房だっただろうか。

湿った感じの記憶がのこる。

 

平行棒のつきあたりには鏡があった。

認知症の女性が、鏡にうつる自分の姿にケンカをふっかけるのをみて、衝撃をうけた。

おかしくて、悲しくて。

 

固くこわばった表情のスーツ姿の男性が、夜間診療の電気治療に通っていた。

電気治療だけではきっとよくならないと、22歳の私は感じてた。


あれから25年。

 

暮らしを、狭い空間にとどめてはいけないのだと

つながりの中にからだがあるのだと

こころが叫んでいる。

 

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