運動を見ているだけでも効果があるのだとしたら、試してみませんか?メンタルプラクティス

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今回は、メンタルプラクティスについてご紹介します。
「脳科学と理学療法 理学療法MOOK16/三輪書店」からのピックアップです。以前にもご紹介した書籍ですが、やはり脳と運動はおもしろい。以下、黒字は本書から引用させていただいたものです。

メンタルプラクティスとよく似たものに「イメージトレーニング」という言葉があります。どう違うのでしょうか。

スポーツ分野でよく用いられる、いわゆる「イメージトレーニング」はすでに獲得されている技能を競技場面で十分に発揮するための心的リハーサルであるのに対し、メンタルプラクティスは技能そのものの改善を目的とした手法として区別されている。

「どうもまだ上手くいかない」、そんな時に行うものなんですね。
どうやってやるのでしょう。

メンタルプラクティス(mental practice)とは「パフォーマンスの改善が得られるまで反復される運動の内的再生による訓練方法」と定義され、用語としてはメンタルリハーサル(mental rehearsal)もしくは象徴的リハーサル(symbolic rehearsal)とも呼ばれる。 

イメージ力を使って何度もリハーサルをするのがメンタルリハーサルなのですね。どうしてそんなことが可能なのでしょうか。どんな変化が起こるのでしょうか。

運動イメージを含むメンタルプラクティスがもたらす大脳皮質運動関連領域の賦活や筋力の変化、バランス能力の改善などが報告されている。

運動イメージを使ってリハーサルすると、脳はまるで実際に運動を行っているかのような反応をして、筋肉やバランス能力にまで影響するみたいです。

脳は、リアルとバーチャルの区別があいまいなんですね。
イメージだけでもやった気になれるとは。なんてお得な。

ただ、イメージするだけでいいのでしょうか。具体的にはどうすればいいのかな。

鮮明かつ操作的な運動イメージ形成には、(中略)視覚的および聴覚的な手がかり刺激や、振動や鏡像などを利用した運動錯覚などが用いられる。

聴覚的な入力としては、目的動作を想起させるための口頭教示や、これを録音したオーディオテープなどが含まれ、視覚的には他者の運動観察、写真やビデオテープをみせることなどが含まれる。

日常の臨床においてセラピストが「手本をみせる」ことも運動イメージを想起させる視覚的手がかりに相当すると考えられる。

手本を見る、手本を見せる。これは普段からやりますね。
私も43才でスノーボードデビューする前には、レッスンDVDを借りてイメージを頭に叩き込みました。だって、下手なことしてケガをするのは嫌ですもの。

実際には、「あれ、こんなはずではなかった。もっとシューって上手く滑られるはずだったんだけど」と思いながらも、「滑っては修正」の連続で、たった一日で、叩き込んだイメージにかなり近い滑りができるようになりました。

あのとき、私の脳はいつになくすごいことになっていたんですね。

運動イメージは、運動実行と類似した皮質の可塑的変化をもたらし、運動機能の残存程度に依存せずにすべての回復ステージにアプローチ可能な手法である。

実際に体を動かすことが難しい人も、運動をイメージするだけで脳は変化する。そんなにいい方法があるのなら、みんな何もせずに見ているだけでいいのでは?

しかし、運動イメージ単独でのパフォーマンス改善効果は身体練習よりも低いことから、単独で用いる場合は、運動が実行できない環境・状況下における代替的手法と位置づけるべきである。(以上p81-98)

釘を刺されてしまいました。体をちゃんと動かしたときほどの効果はないそうです。いろんな理由で運動ができない人にとっての裏ワザなんですね。

でも、自分では到底出来そうもないアクロバティックな動きを、まるで自分が体験しているかのようにシュミレーションするのは、運動神経にいいってことですね。

じゃあ、イナバウアーに、ムーンサルトに、トリプルアクセル、カンフーとかも。なんかいろいろやってみると楽しそう。

運動で多く使用した部位を支配する運動野の領域面積が増え、
逆にあまり使用しない領域は減る。p43

使えば増え、放っておけば減る。これが世の理。

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